住宅ローンの基礎知識

変化する住宅ローンの金利相場

金利の決まり方

住宅ローンの借り入れは、マイホームの購入ですので数千万円の金額を、20~30年以上かけて返済していくというケースがほとんどです。

これだけ規模の大きい借り入れになると、利息も数百万円にも上りますので、できるだけ利息を安く抑えることのできる方法を探したいものです。

住宅ローンでは、金利の相場は半年~1年ベースで変動しています。

しかし、一旦契約したローンの内容は、最低でも5年程度は同じ利率で返済していくことになりますので、利率の低い時期に契約をすることができれば非常に運がよいといえます。

ローンの利率がどうやって決まっているかというと、一つには市場金利です。

世の中の物価や景気の動向などをチェックして、景気がよいときには利率を高く、景気が低迷しているときには低く設定しています。

もう一つは、各金融機関がローンをどのように販売するかという方針によるものです。

例えば、どの金融機関も軒並み利率が高い時期には、利益が大きくなる高金利のローンを提供するところばかりになるでしょう。

一方で、景気が冷え込んで低金利になると、そもそもマイホームを購入しようという人が減少し、利用者の奪い合いになります。

このときには、他の金融機関を利用している人からの借り換え、新規の利用者の積極的な獲得などの観点から、多少利率が高くなったとしても、通常よりも低い利率のローンを提供してくることがあります。

そのため、景気がよいときでも悪いときでも、複数の金融機関の商品を比較することで、より有利なプランで契約できるでしょう。

金利相場と契約内容

マイホームを購入するタイミングは、必ずしも金利が低いときばかりとは限りません。

しかし、今後の金利をある程度予測できる場合には、契約内容を柔軟に変更することで利息の負担を減らすことも可能です。

例えば、金利が高いときには、利率がこまめに変化する変動金利を選ぶのがおすすめです。

変動金利とは、契約してから5年はそのままの利率ですが、その後は定期的に市場の動向をチェックしたうえで利率を再設定しますので、利率が自動的に下がる確率が非常に高くなります。

また、固定金利と比較しても利率が低くなっていることがほとんどですので、最初から負担を減らせます。

逆に、金利がこれ以上ないくらいに低くなっている場合には、近い将来利率が高くなる可能性がありますので、固定金利にしておいた方が安心です。

また、たとえ固定金利の契約にしている場合でも、金融機関と交渉することによって利率を下げてもらえるケースがありますし、場合によっては借り換えをするという手段もあります。

借り換えとは、新たに住宅ローンを組んで、受けた融資をそのまま現在のローンの返済に充てるという方法です。

他の金融機関への乗り換えということになりますが、ローンの利用者を増やしたい金融機関にとってはメリットのある契約ですので、現在の契約よりもかなりの好条件を提示してくることが多いです。

ただし、手数料や登記費用などが発生しますので、これらの負担を含めてもメリットがあるだけの利息の差があるのかどうかを、きちんと確認しておきましょう。

金利相場の予測

住宅ローンのように数十年単位の借り入れとなると、その期間の金利の相場を予測することは非常に困難です。

たまたま、借り入れをした時期が極端に高金利であったり、逆にほとんど利息の負担がない時期であった場合には、ある程度対策をたてることも可能ですが、どちらに変化するかがわからないという場合には、借り換えや繰り上げ償還による利息の軽減も検討しておくとよいでしょう。

借り換えは、金利が0.3%以上低くなっており、10年以上返済期間が残っていて、1,000万円以上の残債務がある場合には検討する価値があるといわれています。

これらに該当しない場合でも、借り換えを検討している金融機関に依頼すると、詳細なシミュレーションを出してくれますので、利息がどれくらい安くなるのか、それに対して必要経費がどれくらいかかるのかをチェックすることで、借り換える必要があるかを確認できます。

借り換えまでいかなくても、現在の金融機関に相談して、利率や毎月の支払額、返済期間を下げてもらえるケースもあるでしょう。

繰り上げ償還は、任意のタイミングで好きな金額をまとめて返すことができる手続きです。

手数料が発生することが多いですが、こちらも借入期間が長く、残債務が多いときに行うことで、大幅な利息の節約になります。

繰り上げ償還後の返済は二通りあり、期間短縮の方が利息を減らすことができますが、現状の毎月の支払いが厳しいという場合には、毎月の負担を減らす方を選ぶことで、次の繰り上げ償還のための資金をためることもできます。

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